この記事の結論

  • 決まった正解の順番ではなく、いま解決したい悩みから一冊を選ぶ
  • 人間関係、伝え方、習慣のうち、最も近い課題を入口にする
  • 読み終えることより、試してみることを一つ決める

「ビジネス書を買ったのに、読み終えられない」「どの本も大切に見えて選べない」。そんなときは、基礎から順番に勉強しようとせず、今週いちばん困っていることから選びます。ここでは、人間関係、伝え方、習慣という三つの入口を、登録済みの3冊で比べます。

人間関係の見方を整理したいなら『嫌われる勇気』

『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)は、哲人と青年の対話形式でアドラー心理学の考え方を扱います。職場で他人の評価が気になる、自分と相手の課題を分けて考えたいという日に向く一冊です。すぐ使える話し方の本ではないため、答えよりも考え方の軸を探したいときに選びます。

一方で、明日の会議やメールを変えたい人には遠回りに感じる可能性があります。その場合は無理に最初へ置かず、具体的な技術を扱う本から始めて構いません。

伝える言葉を見直したいなら『伝え方が9割』

『伝え方が9割』(佐々木圭一)は、同じ内容でも言葉の組み立て方によって伝わり方が変わることを、具体的な技術から考える本です。依頼文、説明、会話など、試したい場面がすでに思い浮かぶ人に向きます。読む前に「次に書くメールで一つ試す」のように使用場面を決めると、内容を選び取りやすくなります。

続け方を仕組みから考えたいなら習慣の本

『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』(ジェームズ・クリアー)は、小さな行動を続けるための仕組みを扱います。目標はあるのに着手できない、気合いに頼ると続かないという人の候補です。一度に生活全体を変えようとせず、既にしている行動の直後に小さな一歩を置くなど、自分が試せる範囲だけを持ち帰ります。

3冊を読む順番は、困りごとの近さで決める

考え方を整理してから技術、最後に習慣という順もありますが、全員に共通する順番ではありません。明日の説明に困っているなら『伝え方が9割』、行動を続けたいなら『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』から始めます。人間関係への見方そのものを考えたいときは『嫌われる勇気』を選びます。

読んだ後に、試すことと期限を一つ決める

読み終えたら、すべてを実践するのではなく「次のメールで依頼文を一つ直す」「朝の準備の後に5分だけ着手する」のように、試すことと期限を一つ決めます。合わなければ元に戻して構いません。本の内容を正解として守るより、自分の仕事に合うかを小さく確かめる方が続けやすくなります。

三つの悩みに当てはまらないときは、ビジネス書の本棚で説明文と読後感を比較してください。今すぐ必要な一章がある本を選び、最初から最後まで読まない方法もあります。

ビジネス書の最初の一冊は、最も有名な本ではなく、今週ひとつ試せる本です。